リレーエッセイ番外編 -- 結婚のプロポーズ
結婚のプロポーズ
特に若い人には興味がある問題であろう。
いよいよ結婚と思ってもなかなか言えないものだ。
よくTVのインタビューなどで、「結婚のプロポーズはなんて言いましたか?」
なんて、とても興味津々にインタニューアーが言う。
きっと、ニヤケて言うんだろうな。
私もいまは結婚しているから、私もプロポーズしたんだと思う。
しかし、それよりも私はモノで示したのだ。あるモノを渡したのだ。
そのモノは結婚しなければ決して役に立たないモノである。
それをもらったら、相手はきっと、
ああ私にプロポーズしてるんだと思わせるようなそういうシロモノである。
実際、私はどこでどんなことを言ったのか定かでない。ほんとに言ったのだろうか?
こんなことをうちのカミさんに聞かれたらおおごとだ。
きっと、「なんでそんな大事なことを忘れてしまうの!」と。
しかし、男はたいてい「男の脳」だからしかたないんではないだろうか。
木下のように男でありながら、「女の脳」を持ってる人間もいるが。
ま、たいていは「男の脳」であり、そんなことは忘れてしまう。
おそらく私たち夫婦が、知りあう頃からの話を聞くと、
きっと、ああ、なんてロマンチックなんだと思うだろう。
私自身、たしかに、いま、第3者的に聞いても、そうなると思う。
いまでも冬になり、帰り道が遅くなると夜空のあの4つの星(正確には6つか?)の
話題を思い出す。
思い出し笑いをしながら歩いてしまう。
しかし、プロポーズのことというとさっぱりだ。
いよいよここで、もったいぶっていた「モノ」について話そう。
これはおそらく彼女の誕生日のときに渡したんだと思う。
何をあげていいかいつも迷う。
いまでも、今年も、直前になってさて何をあげようかと数週間前から悩んでしまう。
私は銀座が好きだからいつものように銀ブラをし、2丁目の「伊東屋」に入った。
しってのとおり、文房具屋である。
そこで、おもいついた。
その「モノ」はけっして、そんなに安くもないし、高くもない。
これを捨ててしまうのと結婚を捨ててしまうのとどっちを選択するだろうか?
と考えた。
最後に答え。
それは hanko です。 inkan です。
この手法は息子にも伝授しようと思うのだが、まだその機会がない。
山田とか木下とかありふれた名前の人なら決して思いつかない「モノ」です。
願わくば、カミさんがこのエッセーを読まないように。