私の「ノスタルジア」を読んだ読者からお便りをもらいました。
とても面白いので、転載の許可が得られましたので、ここに、一部を編集、削除して 載せます。
匿名sndさんからのメール。

神居先生の秘密がわかりました。 太陽族 みゆき族 銀座育ち 慎太郎 大原麗子 和泉雅子 私にとっては TVの中の世界でした。が 先生はみゆき族だったんですね。 小学生の頃よく父が とうきょう に連れて行ってくれました。(国鉄職員でした) その頃の私にとって 新宿も銀座も有楽町も東京駅も新橋も全部が とうきょうだっ たんです。
白木屋 東横(っていう響きがすきでした) 三越等デパートの屋上の遊園地10円 で動く馬や象の乗り物 ソフトクリーム お子様ランチ パフェ・・・ そして何より楽しいのがおもちゃ売り場でした。本当のおとぎの国のようで何時まで いても 飽きる事がありませんでした。チンチン電車に乗れるのもとっても嬉しかった。 ゆっくり走っているのに一番えらいみたいで・・・
晴海の自動車ショウも何回か行きました。カタログやシールを貰ったり車に乗ったり でも何よりも見たかったのは車の横に立って微笑んでいるきれいなモデルさんでし た。子供心に“大きくなったら絶対モデルさんになる”何て思っていました。(身の 程知らずでした)
とうきょうに行くと必ず宝物が増えました。 駅の売店の森永ストアーでディズニーのバンビのバッグを買ってもらいました.ビ ニール製のです。500円だったと思います。コーヒータップというキャンディはご 存知ですか?大人の味で 食べると素敵なお姉さんになったような気がしました。 三越で犬のぬいぐるみのバッグ(3000円でしたとっても大金だったように思って いますが)も買って貰いました.ローズピンクで背中にハンカチちり紙小銭入れ位し か 入らなくて持っているだけでひと荷物でしたがこの二つはずっと宝物でした。 出かける時どっちを持って行こうか何時も迷いました。置いていく方が可哀相で・・ ・
渋谷のプラネタリウムを見て星を見る楽しみも知りました。 夜空に大きなギリシャ神話の神様が現れたりして・・・ それから多分上野の博物館だったと思いますがミイラを見に行きました。 今でも覚えているのは女の人の顔のミイラで髪も長く美しい人でした。恐竜展もあり ましたね。
とうきょうには何でもあるんだな―って思っていました。 だから帰る頃になるとちょっぴり悲しくなるんですがお楽しみもあったんです。 大体湘南電車で平塚か小田原まで来ます。地下で父が調達した 肉団子 焼き豚 サンドウィッチ お弁当 お茶(あの頃瀬戸物でしたよね すぐに  半透明のになってしまいましたが)で夕ご飯です。電車の中で食べるのがとっても 楽しみでした。 今思うと とっても些細な事がすごく幸せだったんですね。 神居先生は毎日そんなおとぎの国で遊んでいたのに・・・・
もしかしたらおもちゃ売り場で 同じ物を見ていたかもしれませんね もしそうだったら なんだかとっても楽しいですね・・・ あの頃よく帽子をかぶっていました。 夏はむぎわら帽子か白いナイロン製でかわいい花がついているような。 冬は紺のフェルトでひだりに赤い花がついていました。それから 白いゴムも・・・飛ばされないように (このゴムがどうしても気に入らなかった事 を今でも忘れません。)
勝鬨橋の下はポンポン船も通っていましたよね? その景色は電車(何線かわかりませんが)からも見えましたか? 靴を脱いで座席にひざを着いて見ていたような記憶がありますが・・・
それから馬喰町と池袋も行きました。というよりも連れて行かれたんですが。 なぜなら母が洋裁をしていました。父の従弟がマルミという生地屋にいて 注文にあった生地を買いに行くのですがその時はとうきょうに行く意味が全くないの です。 家でおばあちゃんと留守番よりもいいかなー位で・・・ご飯はどこかの食堂で食べる よなー・・・ でも何時もあんまりきれいな所じゃないよな・・・馬喰町も池袋もとうきょうなのに 何で楽しくないのかなーー と思っていました。そしてその時はいつも小田急で帰ってきました。 父と母は大きな風呂敷包みをさげて・・・ 私は犬のバッグを持って、弟は電車のおもちゃを持って、二人で喧嘩をしたり仲良く したりしながら 長い一日が終るんです。
急に今思い出しましたが昔のエレベーターって今のよりも乗り心地がジェットコース ターの様じゃなかったですか?ヒューンって感じで・・・ 日本橋三越のエレベー ターですよね きんぴかで扉がガラスでお城みたいでしたが・・・運転するお姉さん も案内するお姉さんもすっごくきれいでほんとにうれしかったです。
三愛はドレメ(目黒の杉野ドレスメーカー女学院)の時都内の友人とよく行きまし た。新宿にもありましたが 「やっぱりこっちじゃないとねー」なんて背伸びして言いながらかっこつけてまし た。 和光は気後れしちゃって落ち着かなくって 「つまらないなんて」おのぼりさんの私 には恐れ多いという感じ でした。